付き合いが長くなって、いざ「結婚」という言葉が頭をよぎったとき、なぜか「この人でいいのかな」という感覚が湧いてきて、そんな自分に罪悪感を覚える。
嫌いになったわけではないけど、昔みたいに胸が高鳴らない。これって、愛が冷めたってこと?それとも、私が冷たい人間なの?
そう自分を責めているあなたに、まず伝えたいことがあります。その感情は、むしろ、とても誠実に彼氏に向き合っている証拠だと思います。
ドキドキが減ることと、愛が消えることは別の話
恋愛初期のドキドキは、脳内の神経伝達物質が引き起こす興奮状態(※1)です。心理学の研究では、この状態はおおよそ1〜3年で落ち着いてくるとされています(※2)。つまり、ドキドキが減るのは「気持ちが冷めたサイン」ではなく、関係が次のフェーズに移行しているサインなのです。
ただ、私たちはドラマチックな物語に触れる機会が多く、「ドキドキ=愛」と思い込んでいる点は否めません。これは、ドキドキが薄れると「愛がなくなった」と誤認してしまう原因ともなるのです。でも実際には、穏やかさや安心感に形を変えた愛情へと移行している可能性があるのです。
(※1)恋に落ちた時の高揚感は、ドーパミンやノルアドレナリンといった報酬系の物質によって引き起こされる。
この状態が収束した後に、オキシトシンなどの「愛着」に関わる物質が優位になり、深い絆を形成すると考えられている。
(※2)心理学用語で「リマレンス(Limerence)」。平均しておよそ18ヶ月から3年程度で持続し、その後は消失または安定した愛に移行するとされている。
「違和感」から見えるノイズと本音
それでも、「結婚相手として見ると何か違う」という感覚が拭えない場合もあります。
これには二つの可能性があります。ドキドキがなくなったこと自体を、相手に対する「違和感」と誤解しているケースと、長い人生を一緒に歩む相手としての何かが、自分の中でしっくりきていないケース。この二つは、似ているようで全然違います。
ですが、私たちは「ドキドキが終わったら愛も終わり」という刷り込みがあるため、この二つを混同しがちです。 一人で冷静に分析しようとしても、「ドキドキを感じなくなった私は冷たいのではないか?」という罪悪感がノイズとなり、自分の本音がどこにあるのか見えにくくなってしまうのです。
「恋愛」と「結婚」、何が違うのかを一度分解してみる
恋愛は「今この人と一緒にいたい」という気持ちが中心にあります。一方で結婚は、お互いの生活・価値観・将来の方向性が長期的に重なるかどうかが問われます。
だから「好きだけど結婚相手として見ると違う」という感覚は、実は非常に現実的で、将来を見据えて考えているといえるでしょう。
ここで一度、「ドキドキ」以外の部分に注目してみてください。
- この人と一緒にいるとき、自分らしくいられるか
- 意見が違ったとき、話し合えるか
- 相手の「普通の日常」を想像したとき、どう感じるか
- 体調が悪いとき、この人に頼りたいと思えるか
ドキドキではなく、こういう場面での肌感を確かめる方が、結婚という選択においてあなたの判断材料になり得ます。
違和感を抱いた自分を責めるより、感覚を言語化してみて
「何か違う」という感覚は、まだ言葉になっていない自分の本音が出しているサインでもあります。それを「彼氏に冷めてしまった自分」として罪悪感を抱く前に、もう少しだけ丁寧にほぐしてあげてほしいのです。
信頼できる友人に話すでも、ノートに書き出すでも構いません。「何が違うと感じているのか」を言語化するだけで、罪悪感ではなく自分の本音と向き合えるようになります。
あなたが悩んでいること自体、彼氏のことも自分のことも、ちゃんと大切にしている証拠です。その誠実さはあなたの魅力にもつながるのですから。


コメント